上り坂でも遅くならない車の選び方 車



 家にあった軽四の箱バンで上り坂で40キロ台しか出ず苦労した経験から、車を買う時に注意するようになりました。

 どの車でも街中や平地では普通に走れるのに、上り坂になるとパワーの差が出てくる様に感じます。

 こうした低レベルな問題は、いろいろな自動車雑誌の記事を読んでも書かれておらず、長い間モヤモヤしていました。

上り坂で遅くなる理由


 自転車なら上り坂はしんどいのですぐ分かりますが、車では上り坂でも、道と「平行」に走っているだけでしんどくも無いので、上り坂に気が付かない事がある位です。

 しかし上り坂は物理的に高低差分登っているので、その高さ分車を持ち上げる力が余分に必要です。
 言い換えると、登るという斜めのベクトルを分解した上向きの力、この為に上り坂では車のパワーの差が現れるのだそうです。

 例えば、上り坂で高低差1メートルの道を5秒で走ったとすると、平地を走らせる時よりもその車を5秒で1メートル持ち上げるパワーが余分に必要、と言っていいと思います。
 
 平地なら車を人力で押せますが、上りで押すのはまず無理です。まして車を人力で1メートル持ち上げるなんて出来るものではありません。上り坂はかなりのパワーが必要です。

 答えは自動車雑誌には無く、初歩の物理やベクトルにあったのです。
 持ち上げるのですから、車重とパワーが関係すると思います。

自己流、上り坂で遅くならない車の見極め方


 パワーが弱そうで不安な時は、上り坂で試乗させてもらった方が良いと思います。
 私は中古車を買うときに、予約なしでも上りのきつい峠で試乗できたことがあります。
 そして、

①その上り坂で、スピードが落ちずに走れるかだけで無く、更にアクセルを3~4秒全開にして上り坂で加速できるかをみます。
加速できれば、もっと勾配のきつい道でもスピードを落とさず走れます。
加速できないなら、それ以上の勾配ではスピードが落ちると思います。

②平地しか試乗できない時は、十分安全な道で前の車と距離を取り、走りながら数秒間(3~4秒)フルスロットルにして、シートに背中が押し付けられる位の加速をするかどうかを見るようにしています。
 
 普通の流れに乗った発進加速などでは、どの車もあまり違いが無いからです。

 5~60キロくらいは当然どの車でも出ます。そこからの加速にパワーの違いが出るように思っています。

 平地で走りながら、アクセルをバッと踏んでもシートに背中が押し付けられないヌルーっとした加速では、上りは厳しいのではないかと思っています。
 ただしパワーの無い車の方がなぜかエンジン音は大きいので、凄い加速をしているような錯覚をしてしまうかも知れません。エンジン音を聞かない様に、背中の感触だけに意識を集中します。

 一般的に、今の軽自動車は大きく重くなっているのでターボでないと上り坂は苦しいようです。
 (街乗りや平地では問題ないと思います。)

 また試乗するのは欲しいと思っている車なので、試乗してから買うのを止めるのは難いものです。
 しかし、こうした基準を決めておくと判断がしやすくなると思います。
 新しいからと言ってパワーがある訳ではありません。平地で一度アクセルを踏んだだけで、新車を買うのを止める決断をできた事があります。

 かと言って、最高グレードにも注意点があると思っています。
 ノウハウ「車の最高グレードは乗り心地が悪い」もご一読下さい。