古いノートパソコンをパワーアップさせるためのTips コンピュータ・インターネット

ノートパソコンを高速化させるためには、不要なソフトをアンインストールしたり、Windowsの一部機能を停止させるなどソフトウェア的な方法があるけど、効果にも限界がある。
なので今回、ノートパソコンをハードウェア的にパワーアップさせる方法を列挙して、そのやり方の簡単な解説、コスト的なこと、その効果について書いてみようと思う。


1.メモリーを増設する(32bit版Windowsユーザー)

難易度:★★☆☆☆ 2
最近のノートPCは面倒な分解はせずに裏面のメモリ用パネルを開くだけで交換可能。
 ・対応規格(PC-XXXX or PC2-XXXX or PC3-XXXXX)
 ・デュアルチャネルかどうか(2枚刺しか)
を調べておく。アプリ「CPU-Z」を入れるか取扱説明書をみれば分かるはず。
大抵ノートはメモリスロットが2つしか無いので増設ではなく買い替えになる。
デュアルチャンネルなら、例えば4GBにしたいなら2GB×2のセットを買う。
対応規格が同じでもデスクトップ用とはピン数が異なるので間違えないように。
32bitOSでは認識されるメモリーは3GB前後まで。4GB以上買ってもあまり意味が無い。

コスパ:★★★★☆ 4
4000円以下で容量4GBは買えるはず。
新品だとPC3-XXXXXより古いPC2-XXXXの方が高かったり。
古すぎて新品がない場合は中古で入手。

効果:★★★☆☆ 3
最大3GB前後しか増えないので効果は限定的。
XPなら1GB~2GBで十分快適になるがVista、Windows7、Windows8では3GBでも足りない。
スピードアップ効果がある「仮想メモリのOFF」はメモリー不足になる可能性があるので各自の判断で。


2.メモリーを増設する(64bit版Windowsユーザー)

難易度:★★☆☆☆ 2
やり方は32bit版Windowsでのメモリー交換と同じなので上記参照のこと。
OSでメモリーサイズを制限されることはないが、PC本体の制限があるので取扱説明書で増設できる最大メモリーサイズを調べておくこと。

コスパ:★★★★☆ 4
メモリーは古い規格より新しい規格のほうが安い。
PC3-XXXXXで容量8GB、4000円以下。

効果:★★★★★ 5
起動時間の短縮、アプリケーション動作も機敏になる。
4GB以上あれば仮想メモリをOFFにしてもメモリー不足にはならないはず。
メモリーの一部をRam Diskにしてブラウザのキャッシュに割り当てるのも高速化UPとなる。


3.Ready Boostを利用する

難易度:★☆☆☆☆ 1
Vista,Windows7以降。「高速な」USBメモリまたはSDカードが必要。
USB端子もしくはSDカードスロットに差し込んでドライブのプロパティからReady Boostを設定するだけ。
Vistaは4GBまでWindows7はそれ以上も可。
常時スロットに挿すことになるので大型のUSBメモリはノートPCでは邪魔になる。
SDカードスロットがあるならSDカードで。ただし低速なSDカードスロットもあるので注意が必要。
高速でないとWindowsに弾かれるか、できても全く効果がないので注意。
容量よりランダムリード・ライト性能が重視される。
なのでSDカードではClass10よりClass6の方が良い場合もある。国内有名メーカーが良い。ネットでベンチマークを調べておくと良い。
SDカードは規格に注意する。普通のSDカードは2GBまで、SDHC,SDXCはそれ以上、SDHC、SDXCはPCが対応しているか調べておく。
USBメモリはメーカーによって性能のばらつきが多いのでネットでベンチマークを調べてから購入すること。
MLCなUSBメモリが高速だが価格が高い。

コスパ:★★★★★ 5
容量が多いほど効果が期待できる訳ではない。4GB程度で十分。高速なものを選ぶ。
SDカードなら国内メーカーのものでも1000円以下から買えるはず。

効果:★☆☆☆☆ 1
劇的な効果は期待しないほうが良い。
Ready BoostをオンにするとUSBメモリまたはSDカード側にキャッシュが生成されていく。
その後少しPCの動作が機敏に感じる程度。
むしろキャッシュの生成中にはストレージへのアクセスが増えるので遅く感じるかも。


4.Windowsを買い換える(Vistaユーザー限定)

難易度:★★★☆☆ 3
超遅いOSなVistaユーザー限定。買い換え先はWindows7以降。
設定が引き継がれるアップグレード版を購入のこと。
PC(CPU)が64bit対応なら64bit版でも良い。その場合設定は引き継がれないので、Vista内のデータはバックアップ必須となる。
Windows8以降にアップグレードしてもタッチパネルが使えるようにはならない。

コスパ:★★☆☆☆ 2
個人的にはWindows8のMetro UIが好みではないので、まだ在庫が残っているWindows7をお勧めする。
ネットオークションに出品されている怪しげな激安品は避ける。アクティベーションできない可能性がある。

効果:★★★★☆ 4
Vistaからの移行ならかなりの効果がある。ただしWindows7以降もWindows Upgradeのたびに起動が遅くなってきた。


5.Windowsを64bit版に買い換え(アップグレード)&メモリーを4GB以上に増設)

難易度:★★★★☆ 4
OSを32bitから64bitにしてメモリー制限を無くし、その上で大量にメモリーを積むという合わせ技。
Windowsの買い替え(アップグレード)は、64bit版への移行では設定が引き継がれないので要バックアップ。クリーンインストールとなる。
CPUはEM64TもしくはAMD64に対応しているか調べておく。Pentium4中期以降から対応だから大抵は大丈夫だと思うが。
大抵の64bit用デバイスドライバはセットアップ時Windowsがネットから探してきてくれるが、無かった場合はネットで自分で探してインストールすることになる。
メモリーを4GB以上にしなければOSを64bit版にする意味が無いのでパソコンが4GB以上搭載できるか調べておくこと。
メモリーの増設については上記メモリーを増設する(64bit版Windowsユーザー)を参照のこと。

コスパ:★☆☆☆☆ 1
コストはメモリー代+OS代となる。Windows8の優待版が終了したのでノート用メモリーとバンドルしたDSP版を買うのが良いかも。
64bitOSになっても大抵の32bitソフトウェアは動作するので問題ない。(もしもの場合はWindows7proのXPモードか、それ以外は古いOSを仮想化して使う。)

効果:★★★★★ 5
多く積んだメモリーは高速化へ大きく寄与する。
メモリーに余裕があれば仮想メモリのOFF、Ram Diskを使うことでさらにパフォーマンスが上がる。


6.内蔵ハードディスクをより高速なものに取り替える

難易度:★★★★☆ 4
HDDが5400rpmなら新しく7200rpmに替えることで速度アップを期待できる。元々7200rpmならSSDに替えるしか無い。
内蔵HDDは今のノートPCなら裏面パネルを開ければ簡単に取り外せるはず。
HDDのインチ数(大抵2.5インチ)、容量、SATA規格(or IDE規格)を調べて買う。ドライブのプロパティからHDDの品番を調べてネット検索に掛ければわかる。
SATA規格は下位互換。SATA3→SATA2→SATA1の順。PCがSATA1でもSATA3のHDDは繋がる。(転送速度はSATA1になる。相性問題が発生することがある。)
当然5400rpmなら7200rpmと高速なものを。ただし高速になる分発熱するようになる。その場合ファンタイプのノート用クーラーパッドを買う。それ以外のタイプのクーラーパッドはあまり効果がない。
交換するので、古いHDDを新しいHDDに取り替えて新しいHDD新規にOSをインストールすることになる。
古いHDDのデータを移行するためにUSB接続の2.5インチHDD用ケースが必要。
古いIDE規格ならHDDよりもIDE規格のSSDを買った方が面倒がない。SATA→IDE変換器は幅が大きくなって入らないし、中古でより高速なIDEのHDDを見つけるのは難しい。
同様に、HDDの大きさが1.8インチなら1.8インチのSSDに買い換えたほうが良い。
使っているOSがWidnowsXPで新しいHDDがATFなら正しい性能を発揮するためにはアライメント調整が必要。

コスパ:★★★☆☆ 3
さらにデータ移行用のHDDケースが必要となりコストが高くなるが、新しいHDDによって容量が大きくなるのと、データ移行後の古いHDDを外付けHDDとして使えるメリットがある。

効果:★★★★☆ 4
大抵のノートPCの場合ディスクアクセスがネックとなっているためスピードアップ効果は大きい。


7.内蔵ハードディスクをSSDに取り替える

難易度:★★★★☆ 4
交換手順は上記HDD交換と同じ。インチ・規格が同じものを選ぶ。
OSがVista以降なら、OSのアップデートのせいで後で容量が足りなくなる可能性があるので最低60GB以上のものを。データ領域を含めると90GB以上推奨。
MLCなど高速なものの方が良いが、PC側が規格に対応していなければ転送速度はそれ以上は出ない。
(300M/s以上の性能のSSDでも、PCがSATA3(6Gb/s)に対応していなければ300M/s以下となってしまう。)
シーケンシャル性能よりランダムアクセス性能を重視すること。
メーカーが多数存在し品質のばらつきも多いので、速度・容量・信頼性・価格どれを重視して買うか決めるべし。
ネットのクチコミだと速度・信頼性ならintel、コスパならSAMSUNG、MicronのCrucialあたりか。(Crucialはアクが強そう。)
OSがXPなら正しい性能を発揮するためにはアライメント調整が必要。
こちらも古いHDDのデータを移行のためのUSB接続の2.5インチHDD用ケースが必要。

コスパ:★★☆☆☆ 2
SSD+HDDケースの料金。価格はHDDより高め。容量もHDDより少ない。

効果:★★★★★ 5
ディスクアクセス速度が大幅アップ、効果は大。
ただし3流メーカー品だとプチフリなど相性問題が出るおそれがある。


8.CPUを交換する

難易度:★★★★★ 5
CPUをより高クロックなものに交換する。
CPUが直接マザーボードに半田付けされているものは無理。ソケット接続のものはできるかも。
BTOパソコンならソケットタイプが多いので交換できる可能性は高い。
が、ほとんどの場合ノートパソコンを全て分解しなければならない可能性が高く、難易度は非常に高い。
昔一度だけやったことがあるがガワを外すだけで苦労したり、金属テープ接着の部分を慎重に剥がしたりと、壊さないよう分解するのは意外と難しい。
さらにそれを再びもとに戻すよう組み立てなければならないので、分解手順やネジの配置などはすべて覚えておかなければならない。
また物理的に交換できてもPCのマザーボード(BIOS)がそのCPUに対応してなければ動かない。
対応CPUは海外製パソコンの場合、メーカーHPからメンテナンスマニュアルを落とせば分かる場合がある。
分からない場合でも同時期に発売されたCPU(同じ開発ネーム)なら対応している可能性が高い。
名前が違う場合でもCPUソケットが同じなら、チップセットが対応していれば動く可能性がある。
その場合チップセットメーカーのHPで対応CPUを確認すること。
ただし、最終的にはマザーのBIOSの対応次第なのでチップセットが対応していても動くとは限らない。
可能性が高い順はCPUソケットが同じであるという前提で、「同じ開発ネーム>同じ名前のCPU>名前の異なるCPU」

コスパ:★★★☆☆ 3
大抵の場合中古品で手に入れることになる。ショップやネットオークションで数千円から1万円ぐらいで手に入るはず。

効果:★★★☆☆ 3
元々のCPUがよほど低速か、シングルコアからデュアルコアへなどの変化でない限り、劇的な性能アップを期待するのは難しい。費やす労力に見合わない。


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