良い営業マンとは? ホーム・ガーデニング

 買い手からみて、良い営業マンとは、どのような人物であろうか。
清潔感があって爽やか、明るいとかの見た眼や、紳士的とか親切などといった態度も大切かもしれないが、
もっと大事なことがある。

 専門知識を備えていること?それもある。
 聞いたことに正確に答えられる。専門用語を使わず、分かりやすい説明をすることができる。
そうしたことである。だが、それは当たり前のことだ。むしろ、アドバイザーという名刺を出す営業マンもあるが、
名ばかりという営業マンも少なくないのが現実である。

 約束を守ること?これも当然だ。
 早くしないと無くなるという煽りの言葉を吐く。部屋を仮押さえしてくれと言う。
こうした、論外の営業マンが存在することも事実だが、比較的多いのは、短所も隠さないで説明すること。
強引さを見せないこと。これらは、良い営業マンの条件である。

 前置きが長くなった。答えは、次のようなことである。

(1)判断に必要な知識と情報を供与してくれる営業マン
(2)情報の内、特に重要な“物件選択に関する指針”を供与してくれる営業マン
(3)買い手の立場と心を理解してくれる営業マン(親身になってくれる)
(4)買い手の立場と心を理解しているからこそ、強く決心を促してくれる(背中を押してくれる)営業マン

 
 
 (1)の「判断に必要な知識と情報を供与してくれる営業マン」とは、
例えば、見始め・検討し始めの買い手に対して予備知識(不動産・マンションのいろは)を説明するようなことである。
 ほとんど何も知らない買い手というのは、判断力を有していないことになる。自社商品の説明だけされても、
高いのか安いのか分からないし、こんな良い物件は他にないなどと言われても、本当かどうか分からない。
疑うわけではないが、事実確認を望むことだろう。
 こんな場合、良い営業マンはその場で他社物件も紹介し、その比較をして見せるはずだ。
 もし、その行為を省けば、見始め客は自力で他の物件を見て回らなければならない。
その際、自分の予算を度外視して見て回ってしまうなど、決断までには、ひどく遠回りするかもしれない。毎週毎週は
動けないので、ようやく自分が買うべき物件に辿り着くのに半年くらいかかってしまうかもしれないのである。
 勿論、インターネットで調べ、学習し、比較検討をしてしまうことができない訳ではない。
実際そうする買い手も増えている。だが、ネットで希望条件を入力して検索し、パンフレットを送ってもらっても、
じっくり見る暇がないため、部屋の片隅に積み上げたままという人もいる。
 こうして、時間をかけている間に、金利や税制の面からのタイミングを、あるいは買い手にとって
最適の物件を入手するタイミングを逃してしまうことになりかねないのである。
 その意味で、「比較をしてみせることで相場観を植え付けたり、予備知識を提供する」のは、
良い営業マンの条件の一つに挙げられるのだ。

 (2)の「物件選択に関する指針を供与してくれる営業マン」とは、主として回遊客に対してのものだ。
回遊客とは、業界用語である。既に多数のモデルルームを見て来た人であり、なかなか決断しないマニア的な
買い手を呼ぶ。
 ある程度の予備知識を持ち合わせている。物件の良し悪しについても、見分ける目を備えている。
しかし、これを逆に見ると、理想が高くなってしまい、どれを見ても満足度が低い状態に陥っていたりする人たちだ。
 譲ってはいけない条件と譲るべき条件とを分けなければならないことも、理屈では知っている。
だが、いざとなると欲が出て決断が鈍る。そうして、態度を保留したまま新しい物件が発売されるたびに
見て回るのである。
 
 こんなタイプの回遊客に対して、良い営業マンは整理・整頓を顧客に代わってやろうとする。
すなわち、希望エリア内の全物件を並べ、その中から条件に合う物をいくつか選び出し、徐々に候補を絞りながら
最後は二者択一の形に誘導することだろう。また、次を待つという選択をしそうになったら、
「待っても同じだ」の説得を試みるに違いない。
 こうした営業マンは、実はあまり多くない。他社マンションと比較するのは、
一歩間違えれば他社マンションの悪口に繋がりかねないからだ。しかし、客観的事実のみを語るのは悪口ではない。
 例えば、「環境が悪い」と言ったら主観になるが、「隣に工場がある」というのは、客観的事実である。
 本物の営業マンは、こうした心がけで買い手の判断がしやすい形を作るものだ。

  (3)の「買い手の立場と心を理解してくれる(親身になってくれる)営業マン」とは、
一方的な物言いをしないばかりか、買い手の立場や家庭内事情、そして心(不安や疑問)を読んで
言葉を選ぶような気遣いを見せる。
判断に必要なことを全て供与するのはもちろんのこと、完全な納得感と安心感をもってもらうまでは、
決して先を急がない。こういった態度の営業マンを指すのである。

 最後の「背中を押してくれる営業マン」とは、顧客が岐路に立った時に強く方向を示してくれる人のことである。
返事を先延ばししようとしている時などに、それを許さない強い態度を見せる営業マンである。
 時間を置いて解決するような類の問題でなく、踏ん切りだけといったものなら、良い営業マンの場合、
決して買い手の要望を聞き入れないものだ。特に、優柔不断な性格である買い手などからは、
後日の返事待ちなどは決して受け付けない。そうすることで、どれだけ買い手は救われることか。

 良い営業マンとは、以上のような姿勢をもって仕事に臨んでいるものである。
 
 次回は、良い営業マンかどうかを見分ける方法をお送りしよう。

次回をお楽しみに。   三井健太(BOOKはこちらへ)


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