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ミンドロ島産の珈琲豆を自家プロセス(その1)。 食事


コーヒー好きでありながらも、私はそんなに珈琲豆にこだわる方ではなかった。高校があった愛知県豊橋市では、鈴木珈琲店のブレンドの方がワルツのものより旨いと思っていたくらいだったし、後に、豊橋生協の機関誌取材のために卸元で焙煎工程を取材したときも、日本人なのにそんなにこだわるのは不自然だと思っていたくらいだ。「和食の後にコーヒー、意外と合う」なんてTVで宣伝しはじめた後だったし、私が若い頃は、まだまだコーヒーが日本の食文化に溶け込みはじめた時期だったと思う。
その後、いろいろな豆を買ってきて自分で入れていたが、挽かれた粉で、自分でグラインドするなんて考えてみもなかった。完全な“受け手”であったわけで、もっとマニアックな方は“送り手”の方へと入っていくのだろう。日本人のコーヒー好きにはマニアックな方が多く、もっといえばムツカシイ方が多いような気がする(失礼!)。いろんな豆を試すうち、モカが好きだな、と思ったが、東グラでいっしょだった徳川さん(最後の将軍、一橋慶喜のひ孫)に、日本のモカはほとんど偽物であることを教えてもらった。徳川さんに紹介してもらった青山の喫茶店は旨かったなあ! それでも偽物のモカなんだそうだ。
さて、前置きが長くなったが、偽物か本物かというモンダイは、わがミンドロ島にも存在していた。これにはフィリピン人の多くが平気で嘘をつくことも関係しているのだが。というのは、わがコーヒーショップでお出ししているブレンドのベースが、バタンガス産のリベリカ種ではなく、当地で穫れるロブスタ種であるらしいことが明らかになってきたのである。隣人が、わがバランガイの農家の畑から枝ごとサンプルを持ってきてくれて、ロブスタ種だという。パレンケで仕入れている焙煎豆を見せると、同じ豆だというではないか。



パレンケの売り子はバタンガス産のバラコ豆だといっていて、バラコ豆といえばコーヒー通の間ではリベリカ種と認識されていると思う。実をいうと、私も最近まではモカとかブルーマウンテン等々、産地でしか違いがわからなかったくらいで、申し訳ないことに品種による違いなんて気にしていなかった。ようやく“送り手”の側に踏み込んできたわけなのだが、ま、フィリピン人のいうことは当てにならないから、実際に自分で珈琲豆をプロセスしてみて飲んでみて、その味がパレンケのバラコ豆と同じ味かどうか確かめようとしている最中でなのである。
これまで珈琲豆に関して伝聞を元に書いている記述には、事実と異なるものもあるに違いないがお許しいただきたい。こういうことはフィリピンではほんとうによくある。日常生活がそういう誤報の積み重ねといってもいい。ま、お笑いの世界の住人なのである。滑稽と思われても仕方ないが、自らも笑ってしまえば済むことで、それがフィリピンともいえる。けれども、私はやはり日本人であることを捨てきれないので、間違った情報はできる限り訂正していきたいと思う。殊に、リベリカ種なのかロブスタ種なのかは、大げさにいえばフィリピンのコーヒー産業の将来をも左右する事実関係だろうから。というのも、リベリカ種は世界的にみても稀少なので、一般的なアラビカ種に対抗し得る品種として大いに期待されているらしい。
フィリピンでは、かつてバタンガス州のリパシティがコーヒーキャピタルであったためだろう、バタンガス産のバラコ豆というと名の通りがいい。オリエンタルミンドロ州の一般大衆には、バタンガス産=バラコ豆として認知されている。パレンケでは、そういうわけでバラコなバタンガス豆として売っているわけだが、珈琲豆に関するウェブサイトを開いてみると、フィリピンの英語サイトでも、日本の日本語サイトでも、フィリピンのバラコ豆はリベリカ種ということになっている。それで私は、てっきりリベリカ種だとばかり思っていた。当初、バラコ=リベリカだったのが、悪貨が良貨を駆逐するように当地ではロブスタがリベリカを駆逐して、バラコ=ロブスタと定着していったのだろうか?


珈琲豆の精製処理には水洗式と非水洗式があるらしいが、私の回りは原始的なのでもちろん非水洗式である。工程が多い水洗式に比べて、味、香りに特徴が出やすいとのことだが、少なくとも成熟した実とそうでないものとを選別したいと思い、最初だけ水に漬けてみた。もぎ取った実を1日水に入れていると、未熟な実が浮くので、それらを取り去り、こんどは天日で干す。完全に乾いてから皮剥きと思っていたら、なんと妻が「もう取れるわよ」なんていいながら剥きだしている。水に漬けて軟らかくなったからか、確かに果肉と粘着物質はうまく取れる。パーチメントと呼ばれる内果皮だと思うが、それもボロボロと取れる。

というわけで、完全に乾き切らないうちに全部の皮を剥いてしまったのが上の写真。枝を見たときには結構たくさん実があると思ったが、プロセスしてみるとこんなもんだ。最近、晴れ間が続かないのでまだ乾燥が足らないと思う。ピーカンの太陽の下で1日乾かすことができたら、こんどはいよいよ焙煎工程に移ることができる。この度の“実験”は、果たしてこの豆がパレンケの豆と同じ味か確かめるためのものなので、パレンケで売られているのと同じ深炒りにするつもりである。下がその写真だが、豆じたいの大きさは、こちらの方がだいぶ小粒だ。隣人は畑から持ってきたといっているから、野生化したものではない筈だが、自分で味を確かめてみるまでは、同種かどうかなんともいえぬ、、、。
http://puertogalerawedding.blog95.fc2.com/blog-entry-608.html
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