アート・エンターテイメントノウハウをみんなで自由に編集し合える!

声優として生き残るには ! -1 アート・エンターテイメント

前回からの続きです。
もしあなたが
「アニメ声優になるにはやはり養成所に行かなくてはならないのか。
よし、じゃあ養成所に行こう !」
と決めたとします。
これで、10万人はいると思われる「潜在的な声優志望者」の中から、
勉強を始めた2万人の中の一人になりました。
では、この2万人の中から、
事務所の「預かり・ジュニアクラス」に残れるのがどのぐらいいるのでしよう?
今回も、あくまで「アニメの声優」に限って話を進めていきます。
ナレーター志望の人は、参考程度に読んでください。

  • ≫*≫*≫*≫*≫*≫*≫*≫*≫*≫

まず、アニメの仕事が多少なりともとれる事務所は、
一体いくつぐらいあるのでしようか。
声優事務所といっても、
大手の事務所から、
有名声優の個人事務所に近いようなこじんまりとした事務所まで、
大小の差はかなりあります。
しかし、一応声優さんの所属している事務所で
毎年コンスタントに、最低でも1人はジュニアを入れる
という事務所は、だいたい50ぐらいあると思います。
大手では10~20人も入れるところがありますから
各事務所平均5人「ジュニア」として預かってくれると仮定して…
50事務所×5人
毎年、だいたい250人ぐらいは、ジュニアに残れる計算になりますね。
ちなみに地方の事務所で、
声優事務所と名乗っている所を時々みかけますが、
地方でアニメの声優になることは絶対無理です。
そういうところでやれるのは、
企業用CM等のキャラに声を当てるようなお仕事だけです。
さて、ジュニアに残れるのが毎年250人…
全国で同時に勉強を始めた人が2万人いるとすると、
100人のクラスで1.25人が残れる計算です。
ただし、2万と言う数字は、専門学校の生徒の数まで入れています。
残念ながら、
専門学校から養成所のジュニアにダイレクトに上がれる人はほとんどいません。
よく聞く、専門学校から養成所のオーディションに合格…というのは、
いわゆる「養成所に合格」と言うのがほとんどです。
ですから、2万人が毎年勉強をスターとさせるとは言っても、
専門学校→養成所→ジュニア所属のオーディションを受けるまでには
半分ぐらいの人数に減っている可能性が大です。
となると、養成所から、事務所にジュニア所属をするための合格率は
もう少し高い…40人のクラスで1人と言う感じでしょうか。
まっ、そんなわけで、アニメ声優を目指すのなら、専門学校より
ダイレクトに事務所所属の養成所へ…と勧めているのですけどね。
さて、「預かり・ジュニアクラス」に上がれた !
とは言っても、これはプロとは言えません。
たまにガヤなどの仕事を振ってもらえたとしても、
1年~3年の間でほとんどがクビになってしまいます。
250人の「預かり・ジュニアクラス」から
プロに残れる=(3年後に正所属になれる)のは、
各事務所、平均1人~2人だと思います。
ですから、まぁ多く見積もって
正所属になれるのは60~70人というところでしようか。
はい、2万人のレッスン生の中から、
【声優のプロ】として勝ち残れるのは250人に一人以下ということですね。

では、正所属になったら、将来は安泰でしょうか?
残念ながら「いいえ!」です。
正所属になったからと言って、
コンスタントに仕事が来る保障はどこにもありません。
もちろん、ここまで残れたら、
声の才能はそれなりにあると言う事でしょう。
営業能力もそれなりにはあるのかもしれません。
そう、声優だって、この営業能力はとても重要です…。
営業と言っても、いわゆるコミュニケーション能力のことですが…。
営業については、
「かるく営業の話をしてみましょう」でも少し書きましたが、
またお話しできるチャンスがあれば書きますね。
でも多少の「声の能力」と「営業センス」だけで食べていけるほど
楽な世界ではありません。
なにしろライバルはまだまだ幾らでもわいてくるのですから。(笑)
今年の60人に残れても、来年も60人、再来年も60人と
次々有望な才能あふれる新人たちが入ってきます。
しかも、1年先輩、2年先輩にも同じだけの数がいます。
自分を含めての5歳幅だけで300人です。
それが全部、ライバルですよ。
今、深夜アニメなどでよく出ているなと感じる新人が何人いますか?
少なくとも、300人もいないことだけは確かでしょう。
では、正所属として晴れて新人声優になった60人は
どんな生活になっているのでしょうか。
まず、この60人から、一気に有名になれるのは
1割弱というところでしょうか。
残りはジュニアランクながら、
まぁ、イベントなどにも呼んでもらえるなど、
何とか食べていけるぐらいの人が、10人ぐらいはいるかもしれません。
といったって、イベントなどに呼んでもらえるのは、
ガヤではなく、役をつけてもらえた番組が
たまたま人気アニメになったとか、そんな場合でしよう。
また、大手事務所のパッケージ制作の番組内でしたら、
自分のところの声優を出しやすいですが、
小さな事務所所属ではなかなか厳しいです。
事務所の代表が主役を務めてるようなアニメなら
一人ぐらいは呼んでもらえるかもしれませんが、
『パッケージ』番組が持てない事務所では、
そうそう新人をいろんな番組に入れこめるわけではありません。
ですから、小さな事務所で正所属になった人たちは、
マネージャーや先輩にかわいがってもらえれば、
小さなお仕事はポチポチともらえるでしょうが、
それだけで生活できるようになる人はなかなかいない…
というのが現実でしょう。
つまり、正所属になったからといって、
アルバイトしないで食べていける人は
多分、60人中10人もいないというのが本当のところでしょう。

  • ≫*≫*≫*≫*≫*≫*≫*≫*≫*≫

では、ここで少し、声優のギャラについてお話しましょう。
声優のギャラには基本ランクというのが設定されています。
ランクのつかない新人登録者(ジュニア)のギャラ設定を
「ジュニアランク」といいます。
このジュニアランクは、
事務所の「預かり・ジュニアクラス」の時だけではなく、
事務所の正所属になっても続きます。
いや、続けたがります。(笑)
なぜか…。
意外に思うかもしれませんが、こんなアニメ人気にもかかわらず、
アニメの制作現場は、予算がなくて火の車なのです。
ですから、現場は、ちょっとでも安い声優を使いたがるのです。
ちなみに、30分のアニメでしたら、ジュニアランクは1万5千円。
これがランク付きになると、最低でも2万7千円になります。
ほぼ倍です。
今まで声優が2人使えていたのに、
同じ予算で、1人しか使えなくなることになります。
火の車の制作現場では、そんな予算は通りません。
つまりランクが上がった途端、お仕事がもらえなくなるのです。
ですから、手を変え品を変え、
「ジュニアランクに残れるように画策する…」
という哀しい事態が、実際に蔓延しているのです。
とはいえ、ある程度の年齢になったら、
やはり、いつかはランクをつけなければならない日が来ます。
そうすると、制作現場からみると「使えない人」になるわけです。
実際「ジュニアランク」を外れた途端に仕事が激減し、
アルバイト生活に戻ってしまったという話をよく聞きます。
30歳超えて、アルバイトですよ。…辛いですよね。
がしかし♪
ここでナレーションが出来るようになっている人は、
アニメに頼らず「ナレーションというもう一つの食いぶち」が出来ます。
ナレーションが出来れば、アルバイトしなくて済むかもしれません!!
だから私は『ナレーターになろう♪』と勧めているわけです。(笑)
あっ、ちなみに、ご存じとは思いますが、
ギャラは普通、
事務所がマネージメント料として20%、
そして源泉徴収で10%ひかれます。
ですから、
1万5千円のギャラなら手取り1万500円。
2万7千円のギャラなら手取り1万8900円です。
週1本のレギュラーを持てたとしても、
ジュニアランクの人で、月4万2000円の手取り。
最低ランクになっても、月7万5千600円。
交通費などは自腹ですから、
1本のアニメのレギュラーがある程度では、
とても食べていける金額ではないですよね。

  • ≫*≫*≫*≫*≫*≫*≫*≫*≫*≫

長くなったのでいったんここで切ります。
次回は、正所属になったその後です。
 
http://sanaeshinohara.blog8.fc2.com/blog-entry-41.html

関連ノウハウ

このノウハウを評価する

評価、コメントするにはサービスに登録してください。

サービス登録をする

コメントを見る

コメントするにはサービスに登録してください。

サービス登録をする

この記事を通報する

ノウハウを書く