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苦情の裏にある本音を探り出し、顧客満足度を向上した事例 ビジネス

苦情の裏に秘められた本音を探りだし、問題解決をはかることで顧客満足度を向上させることができる。
さて、今回の事例は、弊社の顧客の事例だ。
事例としてブログに取り上げるに当たって、先方に相談申し上げた。旅館の名前を出さず特定されないという条件で、となったので、そういう形にしたい。

結論

結論から申し上げる。
お客様から寄せられる声や、アンケートや覆面調査の声などは、建前だ。
無視していいというわけではないが、建前だということを念頭に、本音を探り出し、本質的な問題を解決する必要がある。
 
改善が必要なケースもあるが、あらかじめ、そういうものだと謳ってしまえば良い。
これにより、お客様の期待と、実体との悪い意味でのギャップがなくなる。このミスマッチを防ぐことにより、顧客満足度を向上することができる。
 
すなわち、辛い料理の店は、より多くの人に愛されようと辛さをマイルドにしたら、失敗する。
辛い料理の店だと告知して、辛いものを好きなお客様を集めれば良い。
 

旅館に宿泊したお客様からのハガキ

物事は、1つのことを、良く捉えることも、悪く捉えることもできる。この旅館もその例に漏れなかった。古びた旅館だった。良く言えば、歴史のある旅館だ。
 
ご宿泊いただいたお客様からのハガキが、きっかけだった。
いわゆるアンケートハガキだ。いくつかの質問への回答と、ご意見なども書けるようになっている。
そのご意見の欄に、暗くて古臭いという主旨のことが書いてあった。
 
旅館では、あらためて、旅館の建物とか設備の状況について、ハガキに詳しく欄を設けた。
 
そうすると、暗ぼったいとか、辛気臭いとか、同様の声が寄せられた。
そこで宿としては、設備を改修し、玄関やホール、廊下など照明を増やし、明るくした。
ところが、改善後も、お客様から寄せられる声は、芳しい物ではなかった。
 
この時点で、宿の方から、私に、問題解決のご相談をいただいた。
 
お客様の声を、そのまま反映させれば、顧客満足度が上がりそうだが、必ずしもそうはならないという事例だ。
 
従来は、観光客相手の商売は、顧客満足度を重視していないことが多かった。
しかし、SNSや口コミサイトの発達により、口コミは極めて重要な集客の要素となってきた。
 

調査と分析

 
アンケートを再集計し、お客様の声もすべて確認したうえで、調査に入った。
 
いわゆる覆面調査とはちょっと違うが、調査の一つの形態だ。お客様として宿泊し、お客様と同様の行動をする。と同時に、他のお客様がいる場所で、お客様の様子をうかがい、反応を見る。
ロビーや食事処、風呂場や脱衣所などでは、お客様同士の会話がされる。こういったところでは、本音をうかがうことができる。本音は、言葉よりもむしろボディランゲージに出てくる。
こうして集めた、お客様の本音を集計し、分析した。
 
楽しそうな調査ですねと言われる。
ところが、けっこうハードだ。部屋に閉じこもっていても意味がない。食事処にいるといっても、ゆっくり食べるにも限度があるし、酒を飲むわけにもいかない。
そうすると、ロビーにいるか、風呂に行くかだ。
チェックインやチェックアウトが多い時間帯には、ロビーでも多くのお客様を観察することができる。ところが、夜になると、風呂だけだ。
もう、湯あたりするぐらいに、断続的に何回も、風呂に入ることになる。
 

解決策と結果

 
このような調査と分析を経て、私が提案した解決策は、宿の方にとっては、意外であり、とても解決策とは思えないものだった。
そのため、説得に時間を要した。
幸いだったことは、私がオススメした方法は、全面的に改修するよりは、予算もかからず、わりと簡単にできることだったため、とりあえずやってみましょうということになった。
 
その解決策とは次の通り。
 
今回、改修のために明るくした照明を、安全上必要な物を除いて、全て撤去。すなわち暗くした。
さらに、できる限り創業当時ぐらいまで、暗くした。
webサイトの写真なども全面的に撮影しなおし、暗くした。
 
ご宿泊いただいたお客様からのアンケートをすべて無視したような提案に、当初はビックリされたが、丁寧に説明申し上げ、ご理解いただいた。
 
ただ、改善した点もある。
掃除を徹底させ、いや掃除というよりは、磨くことを徹底させた。
『掃除』というと、スタッフは、つい家庭と同じ感覚で、掃除してしまう。掃除した結果も、同様の感覚で、汚れていなければ良しとしてしまう。
ここだけは、改善した。全館にわたり、美術品なみに磨き上げることを要求した。
それこそ、警察の鑑識係が調べても、チリ1つおちていないし、指紋さえ残っていないぐらいまで。
 
結果、稼働率は上がった。
さらに、旅館の方が、驚いたのは、お客様からの暗いという声もなくなったことだ。
その後のアンケートなどでも、高い顧客満足度を維持している。
 


解決策の理由

 
このような解決策をとった理由は、ミスマッチを防ぐことにあった。
 
あらかじめ、歴史のある旅館で古めかしくて暗いんだということを告知すると、そういうのが好きなお客様が集まる。
そんなお客様にとっては、昔みたいに暗いことは、短所ではなく長所だ。
 

まとめ

 
ここで、シリーズ記事のまとめをしたい。
 
結論は、すでにシリーズの最初で申し上げたとおりだ。
  ↓
『苦情に隠された本音と建前を把握し、顧客満足度を向上させる方法』
http://ss0611.blog.fc2.com/blog-entry-935.html
 
今回の記事をご覧いただいたみなさまには、この結論の他に、もう1つの結論があることにお気づきだろう。
 
シリーズ記事の冒頭の結論では、本音を導き出し、改善することを申し上げた。
もちろん、改善することも、顧客満足度を向上させる上で、重要なことだ。
 
しかし、改善しなくても、顧客満足度を向上させることができる。
それは、ミスマッチを防ぐように告知することだ。
 
今回の旅館のケースでは、ミスマッチを防ぐことが、最善の解決策となった。
 
 
さて、せっかくなので、シリーズ記事で事例として取り上げた、赤坂エクセルホテル東急と、アヴァンセリアンの事例についても、ミスマッチを防ぐことで解決できなかったか、検討してみよう。
 

1、赤坂エクセルホテル東急の事例

 
この事例の詳細については、次のリンク先をご覧いただきたい。
 
赤坂エクセルホテル東急の暖房の事例(苦情の裏側の本音と建前)
 http://ss0611.blog.fc2.com/blog-entry-988.html
 
西日が差して暑いので、書斎として使うには暑かったという事例だ。
もし、当時、私がこのホテルのコンサルティングをしていたら、設備改修による改善はしないで、ミスマッチを防ぐ方法を検討する。設備の改修より、ウェブサイトの改修の方が、費用がかからないのは言うまでもない。
 
事例に紹介したように、書斎として使うには、暑くてどうしようもない。ましてや、私のように、ウォーキングをして身体が温まっている状態では、西日が差していたら、暑すぎるだろう。
しかし、寒い屋外から入ってきたお客様は、身体が冷え切っていることが多い。そんなお客様にとっては、西日の差す暖かい部屋は、ゆっくりと休むのに快適なはずだ。一般的には、こういったお客様の方が多い。
こういったお客様に向いているということを強調して、ウェブサイトなどホテルの紹介で告知する。こうすることで、ミスマッチを防ぎ、部屋が暑かったというお客様を減らすことができる。
ものは、見方と考えようによって、プラスにもマイナスにも捉えることができる。
もちろん、両方のお客様のニーズを満たすべく、各部屋ごとにエアコンの調整ができるのが望ましい。だが、それには費用がかかる。
昔のエアコンの集中管理は、外的要因による温度の変化を考慮していない。
西日が差す部屋では、外が寒くても、中は暑くなる。外気は冷たいので、それを取り入れられればいいのだが、窓さえ開かない。玄関やロビーは暖房中なので、西日が差す部屋だけを冷房にするわけにはいかない。
 
 
お客様の苦情の裏側にある本音を把握すれば、あとは様々な方法で対応することが可能になる。
やはり、最初の第一歩、苦情の裏側にある本音を引き出すことが極めて重要だ。
 
いま、インターネットの発達により、外国からの観光客でも、口コミ情報が極めて重要になってきている。
顧客満足度の向上をはかることは、外国人観光客を集客する上でも重要だ。
 

2、アヴァンセリアンの事例

 
この事例の詳細についても、次のリンク先をご覧いただきたい。
 
アヴァンセリアン(結婚式場)の写真の事例(苦情に隠された本音)
http://ss0611.blog.fc2.com/blog-entry-994.html
 
こちらは、ポーズ写真の技能が低かったという事例だ。
もし、当時、私がこの結婚式場のコンサルティングをしていたら、技能向上を図る前に、ミスマッチを防ぐ方法を検討する。
 
撮影技能の向上を、短期間で図ることは難しい。私がコンサルティングしていたなら、大阪のO部長の弟子のところに、修行に行かせる。これは3年ぐらいはかかるだろう。
この大阪での修行については、次の記事に詳しい。
 ↓
『目だけで女性を口説くという伝説のカメラマンSさん、ご連絡ください』(当ブログの記事)
 http://ss0611.blog.fc2.com/blog-entry-1072.html
 
高度な撮影技能を持つカメラマンは、少ない。事例に挙げたアヴァンセリアンのように、スタンダードなドレスのAラインさえ活かせてないケースは珍しいが、ドレスごとにそのラインを上手に活かせるカメラマンは意外と少ない。表情を引き出す技能にいたっては、ちゃんと修行したことのあるカメラマンは、ほとんどいない。
したがって、アヴァンセリアンだけが、撮影技能レベルが低いわけではない。事例にした記事では開業まもない頃の話で、他と比べてもレベルが低いと申し上げたが、それから時間も経ったこともあり、現在では、他と比較しても、一般的なレベルぐらいまでは向上しているだろう。
逆に言えば、ほとんどのスタジオでは、笑顔を引き出す撮影技能が低い。そのため、顧客満足度を下げることになっている。
 
技能レベルを向上させることが難しいなら、ミスマッチを防ぐことを検討したい。
すなわち、笑顔を引き出すのが苦手とか、撮影現場の雰囲気が張り詰めていて堅苦しいと言えば、悪い方にとらえている。逆に考えれば、おごそかで厳粛な雰囲気で撮影をすると言えば、良い意味だ。
ましてや私の場合、大阪弁のマシンガントークなので、悪く言えば品がなくて騒々しい、よく言えば、面白い。親族の集合写真を終えた後、あたかも一席終えた落語家のように拍手をいただくことがあるのは、O部長の特訓のおかげだ。
 
一般的には、笑顔が良い表情とされるが、必ずしも笑顔で写真に写るのが好きなお客様ばかりではない。そのようなお客様に向けて、ウェブサイトなどで告知する。こうすれば、ミスマッチを防ぎ、笑顔で撮影できなかったというお客様を減らすことができる。
ただ、アヴァンセリアンのような結婚式場内の写真館の場合、ミスマッチを防ぐ方法では、全体的な顧客満足度を向上させるのは、難しいだろう。新郎新婦2人の写真は、2人だけの好みが合えば、問題ない。しかし、親族の集合写真の場合には、両親や親族すべてが、笑顔よりも澄ました表情を好むとは限らない。
現代のポーズ写真のトレンドは、より良い笑顔を引き出す方向になっている。時代に逆流するのは、難しいものだ。
 
結婚式場も、従来は顧客満足度をあまり重視してこなかった。
しかし、口コミサイトやSNSなどの発達により、顧客満足度を重視するようになってきている。
 

結びに 

以上、以前に挙げた事例について、ミスマッチを防ぐという観点で、顧客満足度を向上させる方法を検討してみた。
 
ミスマッチを防ぐ方法は、あらかじめウェブサイトで告知をするなど、わりと時間と費用のかからない方法で出来る。
今回取り上げた事例でも、有効な場合と、そうでない場合があった。
ケースバイケースだが、抜本的な解決方法をする前に、検討する価値はあるだろう。
 
なお、この記事はブログ『KARAと食彩スンヨン』の記事を、FC2ノウハウ用にリライトしたものだ。
元記事は、次のURLをご参照いただきたい。
『苦情の裏側にある本音を探り出し、顧客満足度を向上した事例』
http://ss0611.blog.fc2.com/blog-entry-1037.html

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