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乗り物酔いの予防法 健康

【乗りもの酔いはなぜ起こるの?】
  乗りもの酔いとは、乗り物に乗った時に起こる、吐き気やめまいなど、一過性の病的な変化のこ
とです。誰でもなりうる症状のため、病気という認識は一般的に低いですが、「動揺病」という病名が
つけられています。

 乗りもの酔いは、体が受けた揺れやスピードなどの刺激が、大脳へ正しく伝わらないことから起こると考えられています。

 まず、乗りものに乗った時、周りの風景がめまぐるしく変わることによる目からの刺激、揺れにより内耳のリンパ液がかき乱されることによる刺激、振動などによる筋肉や関節からの刺激が、神経を通じて脳の前庭小脳と呼ばれる器官へ情報として伝達されます。

 通常は、そこで情報整理がなされ大脳へ伝わりますが、このとき前庭小脳が混乱をきたすと、自律神経が乱れて、気持ちが悪い、目が回るなどの症状が現れるのです。

 人間は、長い間、歩くという能動的な移動を行っていましたが、ほんの数百年の問に、急速な移動
手段の発達によって、受動的な揺れにさらされるようになりました。
 これまで、自然界でゆっくりと進化をしてきた人間の前庭小脳は、そうした非自然界の刺激に対して、未だ対応しきれないため乗りもの酔いになるのです。

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【どんなときに乗りもの酔いになりやすいのでしょうか?】
 同じ乗りものに乗っていても、酔う人と酔わない人がいます。これは乗りものから受ける刺激に対しての「限界」が、人それぞれで異なるからです。

 さらに、同じ人でも乗りものに酔うときと酔わないときがあります。このような違いは乗りもの酔いが、様々な要因が重なって、この「限界」を超えたときに起こる症状だからです。

 大きな要因としては、次のことが挙げられます。
 ?体質
 ?心理的な要因
 ?体調
 ?外的要因
 
 心理的な不安は、酔いに大きな影響があるとみられています。
 また、体調面では、空腹や満腹のとき、体調不良や睡眠不足、さらに便秘の時も酔いやすい傾向にあります。

 外的要因としては、初めて経験する揺れには酔いやすく、体を締めつける服装も酔いを助長します。

 さらに乗りものの中で本や新聞を読むことも、脳に混乱を与え酔いやすくなります。

 かつて、テレビアニメを見ていた子どもが次々と不調を訴え、救急車で運ばれる事態が起きました。これは目から入った刺激によって前庭小脳が混乱し、乗りもの酔いと同じ症状を起こしたからです。
 これを「視性の動揺病」といいます。
 乗りもの酔いは揺れやスピードなどの刺激がなくても、目からの情報だけでも起こる可能性がありま
す。特に、前庭小脳が敏感に働く子どもは注意が必要です。明るいところで見る、近くで見ない、操作は離れてリモコンなどで行う、長時間見続けないなどを心がけましょう。

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【乗りもの酔いは年齢によって違いはあるのでしょうか?】
 体の平衡感覚を調整する前庭小脳の発達により、乗りものに酔いやすい年齢と酔いにくい年齢があります。
 前庭小脳が乗りものの刺激に過敏に反応すると、症状は強くなります。そのため、0歳から3歳くらいの乳幼児は、前庭小脳が未発達のため酔うことはありません。

 その後、脳の発達が完成に近づく12歳くらいまでの子どもは、脳がとても敏感な時期のため、乗りもの酔いしやすくなります。

 しかし、その年齢になったからといって、全員が酔うわけではありません。

 前庭小脳のコントロールカや低血圧、アレルギーなどの体質、自律神経の不安定、乗り物に対する不安が重なって、酔いやすい子どもと酔いにくい子どもに分かれます。

 その後は、脳が乗りものの揺れに慣れてくるため酔わなくなり、一般的には20歳を過ぎると早くも前庭小脳が老化していくので、乗りもの酔いはしにくくなります。
 

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【乗りもの酔いは心配のいらない病気なのでしょうか?】
 揺れを何度も体験すると、前庭小脳が刺激に慣れ、最終的に酔わなくなっていきます。
 それまでは、体調や状況によって誰でもなりうるものなので、心配はありません。

 しかし、20歳を過ぎても乗りもの酔いを繰り返す場合は、何らかの病気が潜んでいる可能性があるので、一度検査を受けたほうがよいでしょう。

 また、50歳を過ぎてから突然乗りもの酔いをするようになった人などは、小脳に病気が発症した可能性が高いといえます。

 同様に、大人になって突然酔いやすくなった人も要注意。
 
 逆に、子どもの場合は体質的に酔いやすいから心配する必要がないかというと、そうとも限りません。
 未熟児で生まれた子どもや重いウイルス性疾患にかかった子どもは症状が強く現れることがありますし、乗りもの酔いの裏に深刻な病気が隠れていることがあります(下記一覧参照)。

 乗りもの酔いが与える子どもへのストレスは、精神発達に多大な影響を与えるので、症状がひどいときは、自己判断せずに早めに受診しましょう。

  ☆乗りもの酔いを引き起こす病気☆
     ?耳の病気
            メニエール病
            レルモワイエ症候群
            突発性難聴
            発作性頭位眩量症
            内耳炎
            聴神経腫瘍
            ジャンブリング現象
            音響障害と振動障害
            薬の後遺症
 
     ?血圧の病気
            低血圧

     ?脳の病気
            一過性脳虚血発作
            脳動脈硬化
            脳出血
            脳梗塞
            椎骨脳底動脈不全
            脳腫瘍、頭部外傷
            頭部外傷
            仮性ダンディ症候
            薬やアルコールの中毒

     ?子どもの病気
            両側半規管欠損
            小脳低形成
            耳性帯状疱疹
            頭部打撲
            心因性のめまい
            シンナー中毒
            起立性低血圧
            アレルギー体質
            脳腫瘍
            心臓病
            小脳炎
            脳炎
            中耳炎
            内耳炎
            低血圧

 検査の対象は、主に目や耳、筋肉、関節など体の平衡にかかわる部位と、これらの部位から届く情報をコントロールする小脳です。

 まず、内耳の中にあるリンバ液をわざと動かし、無意識で動く目の揺れを観察し、内耳に原因がないかを診断します。内耳の病気が原因の場合は、難聴を併発していることが多いため、聞こえ方の検査も行います。

 次に、両足立ちや片足立ち、目隠し、足踏みなどをしてもらい、体の重心にどのようなふらつきが現れるかを観察する、平衡感覚の検査を行います。

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【乗りもの酔いの予防法のポイントは?】 乗りもの酔いは、複数の要因が重なって起きる病気です。
 そこで、酔いの誘因をバランスよく取り除き、乗りもの酔いの予防法7ヵ条を徹底しましょう。 
 症状を防ぐコツは、体と心の両面からアプローチすること。乗りもの酔いは、身体的な問題とともに、心理的な問題が大きく関係するからです。

 ☆乗りもの酔いの予防法7ヵ条☆
     ?暗示をかける
            自己暗示をかける。周囲も過度な心配や忠告をしない。

     ?睡眠を十分にとる
            睡眠不足や疲れている時は自律神経が乱れやすくなるので注意。

     ?頭を動かさずに進行方向を見る
            乗リものの中ではあごを引き、頭を動かさずに、遠くを見るようにする。

     ?乗リもの内でゲームや読書をしない 
            揺れている状態では文字や画面がちらつき、酔いを助長するのでやめる。

     ?体を締め付ける服装は避ける
            お腹を圧迫するような、締め付ける服は避ける。ゆったりとした服装がよい。

     ?少量のアルコールを飲む
            リラックスでき、前庭小脳が鈍くなる。
            子どもはガムや飴をなめるとよい。

     ?酔い止めの薬をのむ
            薬の効き目だけでなく「薬をのんだから大丈夫」という安心感が得られる。

           【薬の効果的なのみ方は?】
              普段は、あまリ酔う体質ではなくても、慣れない乗りものに乗る時やちょっと
             心配な時は、市販の薬を服用してみましょう。
              薬は、乗りものに乗る1時間から30分前までに服用しておくと効果的です。
              剤形は、ドリンク剤、チュアブル剤、錠剤とあるので、自分がのみやすい
             ものを選んで服用しましょう。
              事前に薬を服用することで、薬の薬効に加え、不安な気持ちも落ち着きます。

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【乗りもの酔いの予防法に効果的なセルフケアは?】
 前々項にあるように、同じ揺れを何度も経験すると、乗りもの酔いを起こさなくなります。
 体操選手やアイススケーター、バレリーナがクルクルと回っても酔わないのは、日ごろの訓練による
慣れのためといえます。

 同じように、簡単な訓練を続けて揺れやスピードに慣れれば、乗りもの酔いは克服できます。
 体質だからとあきらめず、セルフケアを行ってみましょう。

 乗りもの酔いに大きな影響を与える平衡感覚は、後ろ歩きや前転、後転、回転いすに座る、四股を踏むなどのエクササイズを行うことで鍛えられます。

 視覚を鍛えるには不規則に動くものを見つめると効果的です。

 子どもの場合は、ブランコや滑り台、トランポリンで遊ぶことでも鍛えられます。
 
 そのほか、ツボ押しやジンジャー紅茶を飲む、ペパーミントの香りを嗅ぐなど、体をリラックスさせるケアも効果があります。

 ☆乗りもの酔いに強くなるエクササイズ☆

     ?いすに座って回る
            加速やストップを加え受動的な揺れに慣れる。

     ?ミラーボールを見つめる
            不規則に動くものを見つめることで、視覚を鍛える。

     ?後ろ歩き
            毎日、後ろ向きで約15分歩き、平衡感覚を鍛える。

     ?前転・後転をする
            回数は徐々に増やす。毎日続けることが大切です。

     ?四股を踏む
            朝10回、夜40回で平衡感覚を鍛える。

引用元URL:http://happywinwin.blog75.fc2.com/blog-entry-44.html
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